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第2は、総合的な機能を有し、かっこの機能を市町村とは分離、独立して発揮しようとする府県像であり、仮に「総合的執行型政府」(A2型)と名づけよう。この政府像は、地域の課題を広く対象とし、市町村の支援、関与も受けないで自己完結的にその機能を果たす政府である。この結果、自ずから市町村自治の自由度は高いが、その活動領域は狭まることになる。完全自治体論がこのイメージに近いといえる。
第3は、個別的な機能を有し、かつ市町村と密接な関係を持ちながらその機能を発揮する府県像であり、仮に「特定課題調整型政府」(B1型)と名づけることができる。この政府像は、地域の課題のうち広域的問題など特定の課題を対象として、その分野においては市町村と相互に支援、連携を図りながらその機能を果たす政府である。この結果、市町村自治は、高い自由度が保障された領域を有するとともに、その活動領域はもっとも広くなる。市町村連合論が、このイメージに近い。(ここでは「政府」という概念が適合するかも問題になる。)
第4は、個別的な機能を有し、かつこの機能を市町村とは分離、独立して発揮しようとする府県像であり、仮に「特定課題執行型政府」(B2型)と名づけることができる。この政府像は、地域の課題のうち広域的問題など特定の課題を対象として、市町村の支援、関与も受けないで自己完結的にその機能を果たす政府である。この結果、市町村自治は高い自由度を有し、かつそれなりの活動領域を確保することができる。機能的団体論がこのイメージに比較的近い。
こうした典型的な政府像をイメージしながら、個々の論点を検討していこう。
(C)検討
現状の府県政府は、上記のいずれの政府像に属するであろうか。おそらく、A1型であると思われる。
まず、現状の府県の守備範囲は、市町村の事務への支援、関与まで含めれば、地域の課題のほとんどに及んでいるといってよい。現行の府県は、3で取り上げたような広域的事務だけでなく、福祉、衛生、文化行政、義務教育など本来市町村の事務に属する事柄であっても広くカバーしている。地域におけるほとんどの事柄について、府県のいずれかの部局が「所管」している建前が、現実にも通用している。
また、すでに述べたように、府県のほとんどの事務は、市町村と密接な関係を持ちながら実施する仕組みになっている。市町村を指導し、市町村の協力を仰ぎ、あるいは市町村

 

 

 

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